院長ブログ
「うるさい」だけじゃない。家族が気づく、夜中の「静寂」に潜む危険
「隣で寝ている主人のいびきが凄くて、私が寝不足になる」
「旅行に行っても、周りに迷惑をかけないかヒヤヒヤする」
ご家族の「いびき」に悩まされている方は非常に多いものです。時には「また大きな音を立てて……」と、ついイライラしてしまうこともあるかもしれません。しかし、耳鼻科医からお伝えしたいのは、そのいびきは単なる「騒音」ではなく、体が必死に出している「助けて」のサインかもしれないということです。
特に、激しいいびきの合間に訪れる、「不自然な静寂」。これこそが、最も注意すべき危険な状態です。
■ 「いびき」の正体は、喉の悲鳴
いびきは、睡眠中に喉の通り道(気道)が狭くなり、そこを空気が通る時に粘膜が振動して出る音です。つまり、いびきが鳴っているということは、「一生懸命に空気を吸おうとしているけれど、通り道が塞がりかけている」という証拠です。
さらに深刻なのが、大きないびきが突然止まり、数秒から数十秒、呼吸が止まってしまう状態です。これが「無呼吸」です。
その後、大きく「ガハッ!」と音を立てて再び呼吸が始まるとしたら、それは体が窒息状態から必死に這い上がってきた瞬間なのです。
■ 本人が「なんともない」と言う理由
ご家族がいくら「昨日の夜、息が止まっていたわよ」と伝えても、本人は「え? ぐっすり寝ていたよ」「大げさだな」と笑って受け流してしまう。そんな経験はありませんか?
これには理由があります。無呼吸による覚醒は、脳の一部だけが目覚める「微小覚醒」であることが多く、本人に「苦しくて目が覚めた」という記憶が残りにくいのです。
本人の自覚がないからこそ、毎日その様子を間近で見ているご家族の「気づき」が、治療を始める唯一のきっかけになります。
■ 放置すると、家族の未来が変わってしまう?
「たかがいびき」と放置することは、大切なご家族を大きなリスクに晒すことと同じです。
突然死のリスク 重度の無呼吸は、深夜や早朝の心不全・脳卒中の引き金になります。
生活習慣病の悪化 高血圧や糖尿病の薬を飲んでいても、無呼吸を放置しているとなかなか数値が改善しません。
性格の変化 慢性的な酸素不足は脳にダメージを与え、以前より怒りっぽくなったり、活力がなくなったりすることもあります。
「ただのいびきだと思っていたら、実は命を削る病気だった」というケースは決して珍しくありません。
■ 耳鼻科は「いびきの原因」を突き止める場所
なぜいびきをかくのか? その原因は人それぞれです。
鼻の粘膜が腫れていて、鼻呼吸ができていない(鼻炎など)
扁桃腺が大きく、空気の通り道を塞いでいる
舌の付け根が落ち込みやすい骨格をしている
耳鼻科では、内視鏡などを使って「どこが、どうして狭くなっているのか」を物理的に確認できます。これは、他の診療科にはない耳鼻科ならではの強みです。
最後に大切な人に「いつまでも元気でいてほしい」から
いびきがなくなれば、ご本人の健康はもちろん、隣で眠るご家族の睡眠環境も劇的に改善します。
「一度、耳鼻科で検査してみない?」
その一言が、大切なご家族の健康寿命を延ばす第一歩になるかもしれません。当院では、ご本人が心理的なハードルを感じないよう、優しく、丁寧な説明を心がけています。まずは、ご家族の相談からでも構いません。
最近では、家族のいびきを心配され、問診票にチェックしてくださる方もたくさんおられます。まずは、当院へ、ご相談ください。
フクロウの中の人(院長!?)は、こう見えて、現在、いびきは確認されていないようです。来る健康診断にむけて、時間を見つけてウォーキングをしております。

