院長ブログ
2026年08月
その眠気、実は「窒息」のサインかも?日中の耐えがたい眠気に潜むリスク
「しっかり8時間寝たはずなのに、午前中からあくびが止まらない」
「会議中、上司の話を聞きながら一瞬意識が飛んでしまった」
「休日に昼寝をしても、体が重だるいまま……」
こうした日中の耐えがたい眠気を、私たちはつい「疲れが溜まっているだけ」「加齢のせい」と片付けてしまいがちです。しかし、耳鼻科医の視点からお伝えしたいのは、その眠気の後ろに「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」という深刻な病気が隠れている可能性です。
今回は、自覚症状のあるあなたにこそ知ってほしい、眠気の正体とその対策について、フクロウの中の人が、詳しく解説します。
■ なぜ、寝ているのに「脳」は休めていないのか?
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に喉の筋肉が緩んだり、鼻の通りが悪かったりすることで空気の通り道(気道)が塞がり、呼吸が止まってしまう病気です。
呼吸が止まると、血液中の酸素濃度が急激に下がります。すると脳は「このままでは死んでしまう!」とパニックを起こし、強制的に覚醒スイッチを入れます。本人は眠っているつもりでも、脳は一晩中、酸欠によるパニックと覚醒を繰り返しているのです。
これでは深い睡眠(レム睡眠や深いノンレム睡眠)が得られず、脳も体も全くリカバリーできていません。日中の猛烈な眠気は、いわば「脳が悲鳴を上げているサイン」なのです。
■ あなたの眠気はどのレベル?簡単チェック
以下の項目に心当たりはありませんか?
✓座って読書をしている時に、ついウトウトする
✓テレビを見ている時に、気づくと寝ている
✓会議中や映画館など、静かな場所でじっとしていると眠くなる
✓車の運転中、信号待ちなどで一瞬意識が遠のくことがある
✓昼食後、仕事にならないほどの眠気に襲われる
これらに複数当てはまる場合、あなたの睡眠の質は著しく低下している可能性があります。
■ 「たかが眠気」が招く、命に関わる二次被害
「ただ眠いだけなら、気合で乗り切れる」と考えるのは非常に危険です。放置された無呼吸症候群は、あなたの人生に深刻なダメージを与えます。
心血管系への過酷な負荷
呼吸が止まるたびに血圧が急上昇するため、心臓や血管に大きな負担がかかります。SAS患者さんは、健康な人に比べて高血圧のリスクが約3倍、脳卒中・心筋梗塞のリスクが約3〜4倍になると言われています。
社会的信用の失墜
仕事中のミスや集中力低下は、周囲からの評価を下げてしまいます。また、交通事故の発生率は無呼吸のない人に比べて数倍高く、一瞬の居眠りが取り返しのつかない事態を招くこともあります。
メンタルヘルスへの影響
質の良い睡眠が取れないと、感情のコントロールが難しくなり、イライラや抑うつ状態を引き起こしやすくなります。
■ 耳鼻科だからこそできる「根本原因」へのアプローチ
「いびきや無呼吸はどこに相談すればいいの?」と迷われる方も多いですが、じつは耳鼻科は「空気の通り道のスペシャリスト」です。
鼻詰まり(副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎)、扁桃肥大、舌の付け根の沈下など、物理的に空気の邪魔をしている原因がどこにあるのかを的確に診断できます。
当院では、まずはご自宅で簡単にできる「簡易睡眠検査」をご案内しています。手の指にセンサーをつけるだけで、寝ている間の呼吸状態や酸素濃度を測定できるため、入院の必要もありません。
■スッキリした目覚めを取り戻すために
「もっと早く相談すればよかった」
治療を始めた患者さんから一番多くいただく言葉です。適切な治療(CPAP療法や鼻疾患の治療など)を行うことで、驚くほど日中の頭が冴え、生活の質が向上します。
睡眠時無呼吸症候群のことでお困りでしたら是非一度当院を受診ください。
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