院長ブログ
朝はくしゃみ、昼はケロッ?米沢の秋に多い「寒暖差アレルギー」の正体
この記事の監修:さいとうクリニック院長 齊藤医師
「朝、布団から出た途端にくしゃみが止まらない」
「通勤中、水のような鼻水がタラタラ流れてくる」
「熱もないし、昼になるとケロッと治まるから風邪じゃなさそう……」
秋が深まるこの季節、こうした症状でお困りの方が増えてきます。花粉症の時期でもないのに鼻がグズグズする。もしかするとそれは、「寒暖差アレルギー」かもしれません。
今回は、米沢にお住まいの方にこそ知ってほしい寒暖差アレルギーの正体と対策について、フクロウの中の人が、詳しく解説します。
■ 「アレルギー」なのに、アレルギーではない?
寒暖差アレルギーは、医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれます。名前に「アレルギー」とついていますが、実はスギ花粉やハウスダストのような原因物質(アレルゲン)があるわけではありません。
私たちの鼻の粘膜は、自律神経によって血管が広がったり縮んだりしながら、吸い込む空気の温度や湿度を調整しています。
ところが、急激な温度変化が繰り返されると、自律神経の調整が追いつかなくなります。
その結果、鼻の血管が過剰に広がって粘膜が腫れ、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりといった、アレルギー性鼻炎とそっくりの症状が出てしまうのです。
一般的に、前後の気温差がおよそ7℃以上になると症状が出やすいと言われています。
■ 米沢は「寒暖差」が起こりやすい街
ここで知っておいていただきたいのが、私たちが暮らす米沢の地形です。
米沢は周囲を山に囲まれた盆地です。盆地は、日中は太陽の熱がこもって気温が上がりやすい一方、夜は熱が空へ逃げていく「放射冷却」が起こりやすく、朝晩はぐっと冷え込みます。秋晴れの日などは、朝と昼で10℃以上の差がつくことも珍しくありません。
朝は厚手の上着が必要なほど寒いのに、昼には汗ばむほど暖かい――。米沢の秋は、まさに寒暖差アレルギーが起こりやすい環境なのです。
さらにこれからの季節は、暖房の効いた室内と冷え切った屋外を行き来することで、一日に何度も大きな温度差にさらされます。
■ あなたの鼻水は大丈夫?簡単チェック
以下の項目に心当たりはありませんか?
✓朝起きた時や、外に出た瞬間にくしゃみ・鼻水が出る
✓鼻水は透明でサラサラしている
✓熱やのどの痛みなど、風邪のような症状はない
✓目のかゆみはあまりない
✓暖かい部屋から寒い場所に移動すると症状が出る
これらに複数当てはまる場合、寒暖差アレルギーの可能性があります。
■ 風邪やアレルギー性鼻炎との違い
寒暖差アレルギーは、風邪のように発熱することはなく、鼻水が黄色くネバネバすることも通常ありません。
また、アレルギー性鼻炎(花粉症など)では目のかゆみを伴うことが多いのに対し、寒暖差アレルギーでは目の症状が少ないのが特徴です。
ただし、症状だけで見分けるのは難しく、アレルギー性鼻炎が隠れていることも少なくありません。原因によって治療法も変わるため、きちんと見極めることが大切です。
■ 今日からできるセルフケア
寒暖差アレルギーを和らげるためには、「鼻に急な温度変化を感じさせない」ことがポイントです。
〇重ね着で温度調整を
脱ぎ着しやすい服装で、体温を一定に保ちましょう。特に首元を温めるマフラーやストールがおすすめです。
〇マスクを活用する
マスクは吸い込む空気を温め、加湿してくれます。朝の外出時には特に効果的です。
〇自律神経を整える生活を
十分な睡眠、湯船につかる入浴、適度な運動は、自律神経のバランスを整えます。筋肉量が増えると体の熱を生み出す力も高まります。
■ 耳鼻科だからこそできる「原因」の見極め
「たかが鼻水」と我慢していると、睡眠の質が落ちたり、仕事や勉強に集中できなくなったりと、生活全体に影響が出てきます。
耳鼻科は「鼻のスペシャリスト」です。鼻の中の粘膜の状態を直接観察し、症状に合わせたお薬(点鼻薬や内服薬など)をご提案します。
また当院では、指先からの少量の採血でアレルギーの原因を調べられる「ドロップスクリーン検査」も行っています。寒暖差によるものなのか、ハウスダストなどのアレルギーが関わっているのかを確認することで、より適切な治療につなげることができます。
■ 快適な秋冬を過ごすために
「ただの体質だと思って諦めていた」
そうおっしゃっていた患者さんが、治療を始めて朝の鼻水から解放されるケースは少なくありません。
寒暖差の激しい米沢の秋冬を快適に過ごすためにも、鼻の症状でお困りでしたら是非一度当院を受診ください

